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ITコンサルから社内SEに戻る選択肢【経験者が語る】

コンサルからの転職12分で読める
Kay
KayBig4出身のAI・ITコンサルタント
ITコンサルから社内SEに戻る選択肢【経験者が語る】
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目次

ITコンサルから社内SEに「戻る」のは逃げなのか

結論から言うと、逃げではない。ただし、戻り方を間違えると後悔する。

僕はBig4コンサルファームでITコンサルタントとして約2年半働いた。その前は食品サービス企業のシステム子会社で社内SEをやっていた。つまり「社内SE → ITコンサル」の順で両方を経験している。

コンサル時代の同僚にも、社内SEに転職した人が何人かいる。うまくいった人もいれば、半年で「やっぱり違った」と言って再転職した人もいる。この記事では、その差がどこにあるのかを正直に書いていく。

ITコンサルの働き方に疲れて社内SEを検討している人は多いと思う。でも「疲れたから戻る」だけだと、転職後に別の不満が出てくる。だからこそ、戻る前に知っておくべきことがある。

社内SEに戻るべき人 vs 他の選択肢を検討すべき人

まず、自分が本当に社内SEに向いているのかを判断するためのマトリクスを整理しておく。

社内SEに戻るべき人の特徴

  • 「作る側」に戻りたい:コンサルで資料を作る日々に物足りなさを感じ、システムを自分の手で動かしたい
  • ワークライフバランスを本気で重視:月の残業を20〜30時間以内に収めたい。子育てや介護など明確な理由がある
  • 特定の業界・会社に腰を据えたい:プロジェクト単位ではなく、一つの組織のITを長期で育てることに魅力を感じる
  • コンサルの「上流だけ」に限界を感じた:提案して終わり、ではなく運用まで見届けたい

他の選択肢を検討すべき人の特徴

  • 年収を下げたくない:社内SEへの転職では、ほぼ確実に年収が下がる。それが許容できないなら、事業会社のDX推進やITマネージャーのほうが合う
  • コンサルの「何が嫌か」を特定できていない:プロジェクトの忙しさが嫌なのか、人間関係が嫌なのか、仕事の中身が嫌なのか。これが曖昧なまま転職すると、社内SEでも同じ不満を抱える
  • 技術を深めたい:社内SEは「広く浅く」が求められる。特定技術のスペシャリストになりたいなら、SIerの技術職やテック企業のエンジニア職のほうが向いている
  • スピード感を求める:コンサルより事業会社のほうが意思決定が遅いケースは多い。スピード感が欲しいなら、ベンチャーやスタートアップを検討したほうがいい
判断のコツ:「社内SEになりたい理由」ではなく「コンサルを辞めたい理由」を先に明確にすること。辞めたい理由が社内SEで解消されるかどうかが、転職成功の分かれ目になる。

コンサル → 社内SEで年収はどう変わるか

ここはリアルな数字を出す。僕自身の経験と、転職した知人たちの情報をもとにした体感値だ。

IT子会社の社内SE

  • コンサル時代の年収:800万〜1,100万円
  • 転職後の年収:550万〜750万円
  • 下落幅:200万〜400万円

IT子会社は親会社からの受託開発が中心で、給与テーブルが親会社に準じる(ただし低めに設定される)ことが多い。僕がかつていたシステム子会社もまさにこのパターンだった。技術力は身につくが、年収の天井が低い。

ユーザー企業(事業会社)の社内SE

  • コンサル時代の年収:800万〜1,100万円
  • 転職後の年収:650万〜900万円
  • 下落幅:100万〜300万円

大手メーカーや金融機関の情報システム部門なら、コンサルとの差は比較的小さい。特にDX推進系のポジションであれば、年収800万〜900万円台を提示されるケースもある。

年収ダウンを受け入れられるかの判断基準

正直に言うと、年収が100万円以上下がるのは精神的にキツい。僕の元同僚で年収250万円ダウンで社内SEに転職した人は、「家計は問題ないけど、自分の市場価値が下がった気がして最初の半年は落ち込んだ」と言っていた。

ただし、残業時間が月60時間から月20時間に減るケースも珍しくない。時給換算すると、実質的にはほぼ変わらない、あるいは上がるパターンもある。「月収」ではなく「時間あたりの報酬」で比較することをすすめる。

コンサルから社内SEに転職した知人たちのリアル

僕の周囲で、コンサルから社内SEに転職した知人を4人紹介する。全員Big4出身だ。

ケース1:大手メーカーの情報システム部門(成功パターン)

30代前半の元同僚。戦略系ではなくIT系のプロジェクトを主に担当していた人で、「自分でシステムを選定して導入するところまでやりたい」と言って転職した。年収は約150万円ダウンだったが、残業は月15時間程度に。3年経った今は課長代理に昇進し、年収もコンサル時代に近づいている。

うまくいった理由:転職の目的が「逃げ」ではなく「やりたいことの実現」だった。コンサル時代のプロジェクトマネジメント経験がそのまま活きるポジションを選んだ。

ケース2:IT子会社のシステム開発部門(中間パターン)

30代半ばの元同僚。コンサルの激務に疲れて「とにかく楽になりたい」と転職。年収は約300万円ダウン。確かに残業は減ったが、「仕事の裁量が少なすぎる」「親会社の言いなりでつまらない」と半年後にはぼやいていた。2年経った今は慣れたようだが、「キャリアが停滞している感覚がある」と言っている。

微妙になった理由:転職の動機が「コンサルから逃げたい」だけだった。ポジションの選定が甘く、自分の強みを活かせる環境ではなかった。

ケース3:金融機関のDX推進室(成功パターン)

20代後半の後輩。コンサル歴は2年と短かったが、金融業界のプロジェクト経験を買われて大手地銀のDX推進室に転職。年収は約100万円ダウンにとどまった。社内で「コンサル出身の人」として頼られるポジションを確立し、1年で主任に昇格。

うまくいった理由:業界知識とコンサルスキルの掛け算で、社内に希少な人材になれた。

ケース4:中堅SIerの社内SE(失敗パターン)

30代前半の元同僚。コンサルで人間関係に疲れて転職したが、転職先でも「コンサル出身だから」と距離を置かれた。半年で「合わない」と感じ、結局フリーランスに転向。

失敗の原因:「人間関係」が転職理由の場合、環境を変えても根本解決しないことが多い。加えて、SIerの社内SEはコンサルと業務領域が近いため、「コンサル出身者への警戒感」が強い傾向がある。

社内SEに戻って感じる「良かったこと」と「ギャップ」

僕自身は社内SE → コンサル → フリーランスという順だが、社内SE時代の経験と、転職した知人たちの話を総合して整理する。

良かったこと

  • 自分のシステムを持てる:コンサルでは「お客さんのシステム」だったものが、自分たちのシステムになる。愛着が湧くし、改善の結果を直接見届けられる
  • 長期的な人間関係:プロジェクト単位で人が入れ替わるコンサルと違い、同じチームで年単位の関係を築ける
  • 生活リズムの安定:定時退社が当たり前の環境は、コンサル出身者にとっては新鮮ですらある

ギャップを感じたこと

  • スピード感の違い:コンサルなら1週間で決まることが、社内では稟議を回して3ヶ月かかる。これに最初はイライラする
  • 「コンサル出身」への風当たり:「コンサルの人って上から目線だよね」と陰で言われることがある。コンサル用語を使うだけで「意識高い」と思われる場面も
  • 技術力の自信喪失:コンサルでは「上流工程」がメインだったため、実装スキルにブランクがある。社内SEとして現場に入ると、若手エンジニアのほうがコードを書ける現実に直面する
ダークサイドを正直に言うと、コンサル出身者が社内SEに転職して一番キツいのは「自分は何ができるんだろう」というアイデンティティの揺らぎだと思う。コンサルでは「分析力」「資料作成力」が武器だったのに、社内SEの現場ではそれが直接的な価値にならないことがある。

コンサル経験を最大限活かせるポジションの選び方

社内SEと一口に言っても、ポジションは幅広い。コンサル出身者が活躍しやすいポジションを3つに絞って紹介する。

IT企画・IT戦略ポジション

コンサル経験が最もダイレクトに活きるポジション。中期IT計画の策定、ベンダー選定、投資対効果の算出など、コンサル時代の業務とほぼ同じスキルが求められる。大手企業の情報システム部門に多い。

年収も社内SEの中では高めに設定されていることが多く、コンサルとの年収差を最小限に抑えられる。

DX推進・デジタル変革ポジション

ここ数年で急増したポジション。経営層直轄のDX推進室やデジタル戦略室で、全社的なデジタル化を推進する役割だ。コンサル時代にDX系のプロジェクトを担当していた人には特に相性がいい。

DX推進ポジションは「コンサル出身者歓迎」と明記している求人が多い。コンサルの提案力と事業会社の実行力を橋渡しできる人材が求められている。

PMO・プロジェクト管理ポジション

基幹システムの刷新やクラウド移行など、大規模プロジェクトを推進する社内PMOのポジション。コンサル時代にプロジェクトマネジメントを経験していれば、即戦力として評価される。

ただし注意点がある。社内PMOは「調整役」になりがちで、コンサル時代のように自分で方向性を示す場面が少ないことがある。面接時に「このポジションの裁量はどこまでありますか」と確認しておくべきだ。

面接対策:コンサル出身者が社内SEの面接で聞かれること

コンサルから社内SEへの転職面接には、独特の質問パターンがある。

「なぜコンサルを辞めるのですか」への答え方

これは100%聞かれる。そして「激務だから」「疲れたから」とは絶対に言ってはいけない。面接官は「うちに来てもすぐ辞めるのでは?」と疑っている。

答え方のポイントは「コンサルでは得られないもの」を語ること。たとえば「提案だけでなく、実行から運用まで一貫して関わりたい」「一つの組織のITを長期的に成長させたい」といった前向きな動機に変換する。

「コンサルの経験をどう活かしますか」への答え方

抽象的に「分析力を活かします」と言っても刺さらない。具体的なプロジェクト経験と、応募先の課題を結びつけることが重要だ。

たとえば「前職で製造業のERP導入プロジェクトをリードした経験があり、御社の基幹システム刷新に貢献できる」のように、相手の課題に対する解決策として自分の経験を位置づける。

「年収が下がりますが大丈夫ですか」への答え方

これも高確率で聞かれる。「大丈夫です」だけでは不十分。「年収だけでなく、総合的な働き方の質を重視している」「中長期的なキャリア形成の中で、この転職が最適だと考えている」と、判断の軸を示すことが大切だ。

3ヶ月アクションプラン:社内SEへの転職を実現する

最後に、社内SEへの転職を具体的に進めるための3ヶ月プランを提示する。

月1:社内SE求人のリサーチと自己分析

  • 転職サイトで「社内SE」「情報システム」「DX推進」のキーワードで求人を50件以上チェックする
  • 自分が「IT子会社」と「ユーザー企業」のどちらを狙うか方向性を決める
  • コンサル時代のプロジェクト経験を棚卸しして、社内SEとして活かせるスキルを3つに絞る

月2:エージェント面談と応募開始

  • JACリクルートメントなど、ハイクラス転職に強いエージェントに面談を申し込む。コンサル出身者の社内SE転職に関する相場感と、自分に合うポジションの方向性を確認する
  • 応募書類(職務経歴書)を作成する。コンサル時代の実績は「数字」で語ること。「売上10億円規模のERP導入プロジェクトをPMとして推進」のように
  • 並行して、LinkedInのプロフィールを更新しておく。社内SE系のスカウトが届くようになる

月3:面接対策と内定獲得

  • 前述の面接質問3パターンへの回答を準備する
  • 社内SEの業務内容を事前に理解するために、情報システム部門の業務に関する書籍やブログを1〜2冊読む
  • 面接では「質問」を必ず用意する。「情報システム部門の中期計画は?」「DXの推進体制は?」など、コンサル出身者ならではの視座の高い質問が好印象
3ヶ月で内定まで到達するのが理想だが、焦る必要はない。在職中に転職活動を進め、納得できるポジションが見つかるまでは動かないという判断も重要だ。

まとめ:「戻る」のではなく「進む」選択として

ITコンサルから社内SEへの転職は、「逃げ」でも「後退」でもない。コンサルで培ったスキルを別の舞台で発揮する、キャリアの進化だ。

ただし、うまくいく人とそうでない人の差は明確にある。

  • うまくいく人:「何をやりたいか」が明確で、コンサル経験を活かせるポジションを選んでいる
  • うまくいかない人:「コンサルから逃げたい」が先に立ち、ポジション選びが甘い

僕自身はフリーランスという道を選んだが、もし社内SEに戻るなら、DX推進かIT企画のポジションを選ぶと思う。コンサル経験がストレートに評価される環境で、かつ自分の手でシステムを育てられるからだ。

転職活動の第一歩としては、JACリクルートメントのようなハイクラスエージェントに面談を申し込み、自分の市場価値と選択肢を客観的に把握することから始めてほしい。

あなたのコンサル経験は、正しいポジションを選べば、社内SEとして大きな武器になる。

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Kay

Kay

IT業界12年Big4コンサル出身日英バイリンガル

新卒でメガベンチャーに入社後、ITベンチャー、事業会社のシステム部門を経て、Big4コンサルファームでITコンサルタントとしてチームリーダーを務める。その後フリーランスとして独立し、現在はAI活用コンサルティング・ITコンサルティングを中心に活動。日英バイリンガル。