コンサルを辞めた後の転職先5パターン|年収と満足度のリアル

目次
コンサルを辞めた後、みんなどこへ行くのか
Big4コンサルファームを辞めた同僚たちは、今どこで何をしているのか。
僕自身はフリーランスを選んだが、周囲を見渡すと実にさまざまだ。事業会社の経営企画に行った人、スタートアップのCOOになった人、PEファンド(未上場企業に投資するファンド)に転じた人。全員がコンサル出身で、全員が違う道を歩んでいる。
コンサルを辞めたいと思った瞬間にも書いたが、「辞めた後にどうするか」の選択肢を持っているかどうかで、決断の質は大きく変わる。この記事では、コンサル出身者の代表的な5つの転職先を、年収レンジと満足度のリアルとともに紹介する。
先に、自分がどれに当てはまるかを絞る
5つ全部を検討する人はいない。読み進める前に、当てはまるものを1つか2つに絞ってほしい。
- 提案で終わらせず、自分の手で実行したい → パターン1:事業会社の経営企画・DX推進
- 経営の当事者になりたい/リスクを取れる → パターン2:スタートアップCxO
- 数字と投資が好きで、DD経験がある → パターン3:PEファンド・VC
- 会社の看板を外して、単価で勝負したい → パターン4:フリーランス
- 解決したい課題が具体的にある → パターン5:起業
年齢別の現実的な選択肢は40代コンサルのキャリア選択肢にまとめている。
パターン1:事業会社の経営企画・DX推進
コンサル出身者の転職先として最も多いのが、事業会社の経営企画部やDX推進室だ。僕の元同僚の約半数がこのルートを選んでいる。
年収レンジ
- 転職直後:700万〜1,000万円
- 3年後:900万〜1,300万円(部長クラスで1,500万円超も)
コンサル時代と比べて年収が下がるケースが多い。ただし、残業時間が月20〜30時間に減るため、時給換算では上がることも珍しくない。
メリット・デメリット
向いてる人
「提案して終わり」ではなく、自分の手で事業を動かしたい人。コンサル時代に「クライアントの立場だったらこうするのに」と思っていた人は、このルートで満足度が高い傾向がある。
5つの選択肢のうち、自分に合うのはどれか分かりづらい
あなたの経歴と志向、5パターンのどこにフィットする?
- 自分の年齢・経歴で現実的な選択肢は何個に絞れる?
- 事業会社マネジメントとスタートアップCxO、本当の差は?
- ハイクラス向けの求人レンジを見てみたい
ポストコンサルのハイクラス求人を厳選してお見せします。
パターン2:ベンチャー・スタートアップのCxO
シリーズA〜Bのスタートアップに、COO(最高執行責任者)やCSO(最高戦略責任者)として参画するパターン。僕の元同僚で3人がこのルートを選んだ。
年収レンジ
- 転職直後:600万〜900万円(+ストックオプション)
- IPO(株式上場)成功時:SO行使で数千万〜数億円の可能性
キャッシュの年収だけ見ると、コンサル時代より下がるのが普通だ。ただし、SOが当たれば一気に逆転する。もちろん、当たらないリスクも大きい。
メリット・デメリット
向いてる人
「自分で組織を作りたい」「経営者になりたい」という志向が明確な人。コンサル時代にクライアントの経営課題を見て「自分がやりたい」と感じていた人に向いている。ただし、整った環境で働きたい人には向かない。
パターン3:PEファンド・VC
PEファンド(プライベートエクイティ)やVC(ベンチャーキャピタル)に転じるパターン。狭き門だが、コンサル出身者の中でも特に優秀な層が目指す。
年収レンジ
- アソシエイト:800万〜1,200万円
- VP(ヴァイスプレジデント):1,500万〜2,500万円
- キャリーつき:年収とは別に、ファンドのリターンに応じた成功報酬
コンサルの中でも戦略ファーム出身者が多い印象だが、ITコンサル出身でテクノロジーDD(デューデリジェンス)ができる人材の需要も増えている。
メリット・デメリット
向いてる人
財務モデリングやバリュエーション(企業価値評価)に強い人。数字に対する感度が高く、「投資する側」に回りたいという明確な意志がある人。コンサルで3〜5年のDD経験があると選考で有利になる。
パターン4:フリーランス — 僕が選んだ道
僕自身が選んだパターンだ。Big4を辞めてフリーランスのITコンサルタントとして独立した。
年収レンジ
- 月額単価:80万〜150万円が相場
- 年収換算:960万〜1,800万円(稼働率による)
僕は現在、月額100万円台の案件をメインに活動している。コンサルファーム時代の退職時年収が約1,000万円だったので、手取りベースでは上回っている。ただし、社会保険や福利厚生は自己負担になるため、単純比較はできない。
この体感は市場データとも大きくはズレていない。レバテックフリーランスが公開している単価表(2024年2月公開)では、フリーコンサルの月単価相場は70万〜200万円、職位別ではコンサルタント級(経験3〜4年)で月100万〜150万円、マネージャー級(6〜7年)で月150万〜200万円とされている。独立して単価が跳ねるかどうかは、コンサル時代にどの職位まで行ったかにかなり引きずられる。
メリット・デメリット
向いてる人
「会社の看板を捨てて、自分の実力を試したい」という動機がはっきりしている人。僕はまさにこれだった。IT業界で約12年、メガベンチャー、事業会社、Big4と4社を経験してきて、ずっと「○○社のKay」だった。一度、自分の名前だけで勝負してみたかった。
独立1年目のリアルはフリーランスになった1年目の全記録に詳しく書いた。結論から言えば、「意外となんとかなる」。
出身領域によって案件の獲り方はかなり違う。戦略系なら戦略コンサル出身フリーランスの単価相場と案件の獲り方、IT系ならSAP・DXフリーランスの単価相場に、それぞれの相場と入口をまとめている。
5つの選択肢のうち、自分に合うのはどれか分かりづらい
あなたの経歴と志向、5パターンのどこにフィットする?
- 自分の年齢・経歴で現実的な選択肢は何個に絞れる?
- 事業会社マネジメントとスタートアップCxO、本当の差は?
- ハイクラス向けの求人レンジを見てみたい
ポストコンサルのハイクラス求人を厳選してお見せします。
パターン5:起業
コンサル出身者が自ら事業を興すパターン。フリーランスとの違いは、「自分が働く」のではなく「仕組みを作って事業を回す」点にある。
年収レンジ
- 創業1〜2年目:0〜500万円(赤字の場合も)
- 軌道に乗った後:1,000万〜青天井
最もハイリスク・ハイリターンな選択肢だ。僕の元同僚で起業した2人のうち、1人はSaaS事業で年商2億円を超え、もう1人は2年で事業を畳んで事業会社に転職した。
メリット・デメリット
向いてる人
「解決したい課題」が明確にある人。コンサル時代に「この業界のこの問題は、自分なら解決できる」と感じた経験がある人は、起業に向いている。逆に、「なんとなく起業したい」だけだと、コンサルのスキルが活きる前に資金が尽きる。
5パターンの比較 — 年収と満足度の現実
詳しくはコンサルからスタートアップへの転職で解説している。
僕が周囲を見てきた中で、最も「満足度が高い」と感じるのは、年収の高さではなく「自分の意志で選んだかどうか」だ。事業会社に行った人でも、明確な理由があって選んだ人は満足している。逆に、「なんとなくコンサルがきつくて」辞めた人は、どのパターンでも不満を抱えている傾向がある。コンサルの昇進に落ちたときの選択肢や、Big4に全落ちした後の戦略も、キャリアの岐路にいる人には参考になるだろう。
パターン別・次に取るべき具体的な一手
「選択肢を知ることが大事」で終わる記事が多いが、それだと何も動かない。パターン別に、次にやることを具体化しておく。
コンサル出身者を扱うサービスは、転職系と独立系でまったく別物だ。ここを混ぜて登録すると、見当違いの求人ばかり届いて時間を失う。
| 狙うパターン | 使うサービスの種類 | 具体的なサービス |
|---|---|---|
| 1. 事業会社の経営企画・DX | ポストコンサル特化の転職エージェント | コンコードエグゼクティブグループ |
| 2. スタートアップCxO | 同上(CxO求人を持っているか要確認) | 同上 |
| 3. PEファンド・VC | 同上。ただし求人数は極小 | 同上 |
| 4. フリーランス(戦略系) | 上流案件のマッチング | Strategy Consultant Bank |
| 4. フリーランス(IT・SAP系) | DX/PMO/SAP案件のマッチング | IT Consultant Bank |
| 5. 起業 | エージェントは不要 | — |
転職を狙うなら:ポストコンサル特化を選ぶ
パターン1〜3は求人の性質が近く、入口は同じでいい。重要なのは**「コンサル出身者を専門に扱っているか」**の一点だ。総合型のエージェントに登録すると、コンサル経験を「マネジメント経験なし」と機械的に処理されて、事業会社の中間管理職ばかり出てくる。
僕も在職中にエージェントに登録して市場価値を確認し、その上でフリーランスを選んだ。転職しない前提で相談しても構わない。むしろ、現在地が分からないまま辞めるのが一番まずい。
比較検討したい場合はコンサル出身者向け転職エージェント5選に、年収の目安はポストコンサルの年収リアルデータにまとめている。
独立を狙うなら:出身領域で入口が変わる
パターン4は、転職エージェントではなく案件マッチングのサービスを使う。戦略系とIT系で扱う案件が違うので、上の表の通り使い分ける。稼働率や単価交渉の考え方はフリーコンサル向けエージェント比較で解説した。
共通してやること
- 在職中に登録する。辞めてからだと足元を見られる
- 2社以上に相談する。1社だけだと提示された条件が高いのか安いのか判断できない
- 「まだ転職は決めていない」と正直に言う。急かしてくるエージェントはその時点で外す
冒頭に書いた通り、5つ全部を検討する必要はない。1つか2つに絞って、在職中のうちに現在地を確認する。それが、後悔しないキャリア選択の第一歩だ。
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それぞれ強みが異なります。比較して自分に合うサービスを選びましょう。
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あなたの次の一歩は?
Kay
IT業界12年Big4コンサル出身日英バイリンガル新卒でメガベンチャーに入社後、ITベンチャー、事業会社のシステム部門を経て、Big4コンサルファームでITコンサルタントとしてチームリーダーを務める。その後フリーランスとして独立し、現在はAI活用コンサルティング・ITコンサルティングを中心に活動。日英バイリンガル。


