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コンサルの仕事がルーティン化した時が「辞めどき」なのか

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Kay
KayBig4出身のAI・ITコンサルタント
コンサルの仕事がルーティン化した時が「辞めどき」なのか
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目次

「またこのプロジェクトか」と思った瞬間

Big4コンサルファームに入って約2年が経った頃。新しいプロジェクトにアサインされた初日、資料のフォルダ構成を見て「あ、前と同じだ」と思った。

PMO(プロジェクト管理の支援業務)の週次レポート、課題管理表、ステコミ(ステアリングコミッティ、経営層向けの報告会議)資料。テンプレートの中身を入れ替えるだけで、8割は完成する。3日もあれば全体像が見えて、1週間でキャッチアップが終わる。

最初はそれを「成長した証拠だ」と思っていた。でも、半年後にまた別のプロジェクトで同じことが起きた時、さすがに気づいた。これは成長ではなく、停滞だ。

コンサルを辞めたいと思った瞬間にも書いたが、この「またこれか」という感覚は一度気づくと消えない。問題は、それが本当に辞めどきなのか、それとも単なる踊り場なのかだ。

ルーティン化と踊り場は違う

成長曲線のグラフ — ルーティン化と踊り場の違いを視覚化

ここを混同している人が多い。僕もそうだった。

踊り場とは何か

踊り場とは、次の成長フェーズに入る前の「溜め」の期間だ。新しいスキルを身につける前に、既存のスキルを無意識レベルまで定着させている時間とも言える。

たとえば、コンサル1年目でファクトベース(事実に基づく思考)の資料作成を覚え、2年目でそれが自然にできるようになる。この2年目の「楽にできるようになった」期間が踊り場だ。

踊り場には特徴がある。「できること」が増えている実感はなくても、「できることの精度」が上がっている。 同じPMO業務でも、前回より早く・正確に・少ない手戻りで完了できるなら、それは踊り場であってルーティン化ではない。

ルーティン化の正体

一方、ルーティン化は「精度の向上すら止まっている」状態だ。

ルーティン化の3つのサイン:
  • 新しいプロジェクトに入っても「学びメモ」を取らなくなった
  • クライアントの業界が変わっても、やることが同じだと感じる
  • 後輩に教える内容が、半年前と一言一句変わっていない

僕の場合、3つ目が決定的だった。チームに入ってきた後輩に業務を教えている時、「あれ、これ前のプロジェクトでも全く同じことを言ったな」と思った。教える内容が更新されないということは、自分の中に新しいインプットがないということだ。

4社を経験してわかった「辞めどき」の判断基準

4社のキャリアを振り返りながらノートに書き出す — 辞めどきの判断

僕はメガベンチャー、ITベンチャー、飲食チェーンのシステム子会社、Big4コンサルファームと4社を経験してきた。IT業界で約12年。毎回「辞めるか残るか」を悩んだ。

振り返ると、辞めて正解だった時と、もう少し残ってもよかった時がある。その違いを整理したのが以下の3つの基準だ。

基準1:「この環境でしか得られないもの」が残っているか

Big4のコンサルファームには、事業会社では絶対に経験できないことがある。大企業の経営層との折衝、数十億円規模のPJ(プロジェクト)のマネジメント、短期間でのアウトプットを求められる緊張感。

僕がBig4に入って最初の1年は、毎日が新しい経験だった。年収700万円からスタートして、退職時には約1,000万円。待遇面だけでなく、経験面でも十分にリターンがあった。

でも2年を過ぎた頃から、「この環境でしか得られないもの」が思い浮かばなくなった。それが最初のシグナルだった。

基準2:社外の人と話して刺激を受けるか

「社外の勉強会や交流会に行って、焦りを感じるか」を自分に問いかけてみてほしい。焦りを感じるなら、まだ成長意欲がある。何も感じないなら、環境に慣れすぎている。

僕は在職中にエージェントに相談して、自分の市場価値を確認した。その時に「コンサル経験者は事業会社の経営企画やDX推進部門で年収800万〜1,200万円が相場」と聞いて、初めて外の景色が見えた。

自分の現在地を客観視できる機会を意識的に作ることが大事だ。

基準3:「あと1年いたら何が変わるか」に答えられるか

これが最もシンプルで、最も残酷な基準だ。

「あと1年この会社にいたら、自分のスキルや経験にどんな変化があるか」を具体的に言語化できるかどうか。マネージャーに昇進する、新しい業界のプロジェクトを経験する、海外案件にアサインされる。何でもいい。具体的に言えるなら、まだ残る価値がある。

僕がBig4を辞めた時、この問いに答えられなかった。「あと1年いても、たぶん同じようなPMO案件をやっている」としか思えなかった。それが最終的な決め手だった。

辞めどきを逃すとどうなるか

カレンダーの日付が過ぎていく — 辞めどきを逃した人のキャリア停滞

辞めどきを逃したコンサルを、僕は何人も見てきた。共通しているのは、年収と安定が「辞めない理由」になっていることだ。

辞めどきを逃した人に起きること:
  • 年収1,000万円超の生活水準に慣れ、リスクが取れなくなる
  • 「コンサルしかやったことがない」という不安が年々大きくなる
  • 35歳を超えると事業会社への転職の選択肢が急激に減る

30代前半までは、コンサル出身者の市場価値は非常に高い。でも30代後半になると「マネジメント経験」と「特定領域の専門性」の両方を求められるようになる。コンサルでルーティン化した状態のまま数年を過ごすと、どちらも中途半端なまま年齢だけが上がる。

この点についてはアサインがない期間をどう過ごすかでも深掘りしている。

これは脅しではなく、僕がエージェントから聞いた現実だ。

まず何をすべきか — 3ステップで整理する

ノートに3つのステップを書き出す — 行動計画

「ルーティン化している気がする」と思ったら、すぐに辞める必要はない。でも、何もしないのは最悪の選択だ。

あわせてコンサル2年目の壁の乗り越え方も読んでみてほしい。

1自己診断 — 上で書いた3つの基準に正直に答える。紙に書き出すのがおすすめだ。頭の中だけで考えると、都合のいい結論に流れる。
2市場価値の確認 — 転職エージェントに登録して、自分が外からどう見られているかを知る。
3期限を決める — 「半年後にもう一度同じ3つの基準で自己診断する」と決める。半年経っても状況が変わっていなければ、それは踊り場ではなくルーティン化だ。行動に移す時だ。

僕自身、Big4を辞める前にこのプロセスを踏んだ。結果としてフリーランスに独立し、現在は月額100万円台の案件をメインに活動している。辞めて後悔したことは一度もない。

ルーティン化は「終わり」ではなく「サイン」だ

新しいステージに向かって歩き出す — 前向きなキャリアの転換

コンサルの仕事がルーティン化したと感じること自体は、ネガティブなことではない。それは「この環境で得られるものを十分に吸収した」というサインだ。

問題は、そのサインを無視して何年も同じ場所に留まることだ。年収1,000万円の安定は魅力的だが、3年後・5年後の自分のキャリアを考えた時に、今の環境が最適解かどうかは冷静に判断すべきだ。

4社を経験してきた僕の実感として、辞めどきは頭で考えるものではなく、身体が教えてくれるものだ。「またこれか」と感じた時、それはもう答えが出ている。

あとは、行動するかどうかだけだ。

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Kay

Kay

IT業界12年Big4コンサル出身日英バイリンガル

新卒でメガベンチャーに入社後、ITベンチャー、事業会社のシステム部門を経て、Big4コンサルファームでITコンサルタントとしてチームリーダーを務める。その後フリーランスとして独立し、現在はAI活用コンサルティング・ITコンサルティングを中心に活動。日英バイリンガル。