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Big4を辞めてフリーランスになった理由 — 会社の看板を捨てて自分の実力を試したかった

コンサルのリアル6分で読める
M
ManabuBig4出身のAI・ITコンサルタント
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目次

コンサルを辞めたいと思った最初の瞬間

深夜1時。オフィスの会議室で、僕はパワポのスライドを黙々と直していた。

ふと手が止まった。「これ、前のプロジェクトでも同じようなスライドを作ったな」と思ったからだ。課題整理のフレームワーク、現状分析のチャート、施策一覧のマトリクス。構成もフォントサイズも、ほぼ同じ。

Big4コンサルファームに入って約2年。最初は何もかもが新鮮だった。でも、この夜を境に「またこれか」という感覚が消えなくなった。

僕はこの瞬間、初めて明確に「辞めたい」と思った。

4社を経験して気づいた「看板の重さ」

メガベンチャー時代 — 会社名で仕事が来る

新卒で入った大手IT企業では、マーケティングを担当していた。名刺を出せば「あの会社の方ですか」と相手の態度が変わる。仕事の成果というより、会社のブランドで信頼を得ている感覚があった。

約2.5年で転職したが、この「看板の力」を意識したのはここが最初だった。

ベンチャー・事業会社時代 — 現場を知る

その後、ITベンチャーと飲食チェーンのシステム子会社を経験した。社内SE(社内のシステムエンジニア)として、現場のIT運用に向き合った。

事業会社にいると、コンサルが作った資料をもとに実際にシステムを動かす側になる。「この提案、現場のことわかってないな」と感じることも多かった。この経験が、後にコンサルとしての強みになるとは当時は思っていなかった。

Big4コンサル時代 — 最大の看板

大手コンサルファームに中途で入社した。年収は約700万円でのスタート。ITコンサルタントとして、大企業のDX推進やシステム導入のPJ(プロジェクト)を担当した。

チームリーダーとして複数メンバーを率いる立場にもなった。退職時の年収は約1,000万円。正直、待遇に不満はなかった。

でも、ずっと引っかかっていたことがある。クライアントが僕を信頼してくれるのは、僕の実力なのか、それとも「Big4の○○さん」というブランドなのか。4社を経験してきて、どの会社でも常に「○○社のManabu」だった。一度も「Manabu個人」として評価された実感がなかった。

Big4を辞めたいと感じた3つの理由

理由1:コンサル業務のルーティン化

冒頭で書いた「また同じスライドを作っている」という感覚。これは一度気づくと、もう元には戻れない。

DD(デューデリジェンス、企業の価値やリスクを調査すること)のフレームワーク、PMO(プロジェクト管理の支援業務)の週次レポート、ステアリングコミッティの資料。型が決まっていて、中身を入れ替えるだけ。もちろん型があるから品質が担保されるのだが、「僕じゃなくてもできるよな」と思う瞬間が増えた。

理由2:会社の看板なしで勝負したかった

これが最大の理由だ。

事業会社からコンサルに転職した時、名刺の力が格段に上がったのを感じた。打ち合わせでの相手の態度が明らかに違う。それが嬉しい反面、怖くもあった。この看板がなくなったら、僕に何が残るのか。

IT業界で約12年。メガベンチャー、事業会社、Big4コンサルファームを経験してきた。でも、自分の名前だけで仕事を取ったことは一度もなかった。

理由3:「辞めどき」は成長が止まった時

コンサルの辞めどきについて考えた記事にも書いたが、成長実感がなくなった時が辞めどきだと僕は思っている。

新しいプロジェクトにアサインされても、3日で全体像が見える。キャッチアップ力が上がったとも言えるが、裏を返せば「もうこの環境で学ぶことが減ってきた」ということだ。

事業会社にいた時も同じタイミングで転職してきた。コンサルだから特別なわけじゃない。キャリアの普遍的な課題だと思う。

コンサルからフリーランスへ — 辞めた後のリアル

最初の案件は知人経由

退職後、まずは知人経由でITコンサルの案件をもらった。Big4の看板はもうない。不安はあったが、「自分の名前で仕事が来た」という事実が純粋に嬉しかった。

正直に言えば、コンサルファームで培った構造化思考、短期間でのキャッチアップ力、資料作成スキルは独立後にそのまま武器になった。会社の看板は捨てたが、スキルは持ち出せる。これは辞めてみて初めて実感したことだ。

意外となんとかなる

独立して約3年。現在は月額100万円台の案件をメインに活動している。ITコンサルだけでなく、エンジニアリング案件や英語を活かした案件にも挑戦している。

事業会社でシステム運用を経験したからこそ、提案だけでなく実装まで対応できる。コンサル出身者の多くは「提案して終わり」だが、僕は手を動かせる。これが独立後の大きな差別化になっている。

「コンサルを辞めても大丈夫なのか」と聞かれることが多い。僕の答えは「意外となんとかなる」だ。むしろ、コンサルで働いていた経験が独立後に最も力を発揮している。

市場価値を知ることから始める

もし今コンサルを辞めたいと感じているなら、まずは自分の市場価値を確認することをおすすめする。転職エージェントに登録するだけでも、自分が外からどう見られているかがわかる。

僕も在職中にエージェントに登録して、市場価値を把握した上で独立を決断した。結果的にフリーランスを選んだが、コンサル出身者向けの転職エージェントを使って選択肢を広げるのは合理的な判断だと思う。

JACリクルートメントのようなハイクラス特化のエージェントであれば、コンサル出身者のキャリアを正しく理解してくれる。転職するかどうかは別として、自分の現在地を知るために使ってみる価値はある。

辞めるか迷っている人へ

僕は4社を経験してきて、毎回「辞めるかどうか」を悩んだ。そして毎回、辞めて正解だった。

ただ、これは「誰でもすぐ辞めるべき」という話ではない。辞めた後にどうするかの選択肢を持っていることが大事だ。コンサルを辞めた後のキャリアパターンは人それぞれで、フリーランスだけが正解じゃない。事業会社に戻る人も、ベンチャーのCxOになる人もいる。

僕がフリーランスを選んだのは、「自分の名前で勝負したい」という動機がはっきりしていたからだ。

会社の看板を捨てるのは怖い。でも、捨ててみたら「意外となんとかなる」し、むしろコンサル時代の経験があるからこそなんとかなっている。

もし今「辞めたい」と感じているなら、それは成長のサインかもしれない。次のステージに進む準備ができている証拠だと、僕は思う。

M

Manabu

Big4コンサルティングファーム出身。IT・AIコンサルタントとして10年以上の経験を持つ。現在はフリーランスとして、AI活用による業務自動化のコンサルティングを提供。

公認会計士試験合格通訳案内士AWS認定ソリューションアーキテクト