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コンサルからフリーランスへ。独立1年目のリアルな収支記録

コンサルからの独立9分で読める
Kay
KayBig4出身のAI・ITコンサルタント
コンサルからフリーランスへ。独立1年目のリアルな収支記録
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目次

独立1年目の売上は1,200万円だった

独立1年目の収支グラフ — 月ごとの売上推移

Big4コンサルファームを辞めて、フリーランスになった。年収約1,000万円を捨てて、ゼロからのスタートだ。

結論から言うと、独立1年目の売上は約1,200万円。経費を引いた手取りは約800万円。会社員時代とほぼ同じか、少し下がった程度だった。

「意外としょぼいな」と思う人もいるかもしれない。でも、僕にとっては会社の看板なしで稼いだ初めてのお金だ。数字以上の意味がある。

この記事では、独立前の準備から月ごとの売上推移、経費の内訳、税金の話まで、1年目のリアルをすべて公開する。これからフリーランスを考えている人の判断材料になれば嬉しい。

辞める前にやった3つの準備

独立前の準備チェックリスト — 貯蓄・届出・会計の3本柱

Big4で約2.5年働いた後、退職を決めた。ただし、勢いで辞めたわけじゃない。半年かけて準備した。

16ヶ月前 — 生活費12ヶ月分(約360万円)を貯蓄。最悪1年間収入ゼロでも生きていける状態を作った。
23ヶ月前 — 開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出。青色申告は最大65万円の控除が受けられるので必須。
31ヶ月前 — 会計ソフト(freee)を導入し、経費の記録を開始。独立前から慣れておくと後が楽だ。
開業届は退職後1ヶ月以内に出せばいいが、青色申告の申請は開業から2ヶ月以内が期限だ。セットで出しておくのが鉄則。忘れると1年目は白色申告になり、控除額が大幅に減る。

もうひとつ地味だが重要なのが、事業用の銀行口座とクレジットカードを分けること。個人と事業の支出が混ざると、確定申告の時に地獄を見る。僕は屋号付き口座を開設して、経費は全てそこから支払うようにした。

月ごとの売上推移 — 初月55万円から月120万円超へ

月別売上推移グラフ — 初月55万円から12ヶ月目130万円までの成長曲線

独立1年目の売上を月ごとに振り返る。

売上(万円) 案件数 備考
1月目 55 1 知人紹介のIT戦略案件(週4稼働)
2月目 55 1 同案件の継続
3月目 70 2 エージェント経由で小案件追加
4月目 85 2 単価交渉でメイン案件の単価UP
5月目 100 2 新規クライアント獲得
6月目 105 2 メイン案件の追加発注
7月目 110 2 安定期に突入
8月目 110 2 大手金融のDX戦略策定参画
9月目 120 3 スポットの資料作成案件追加
10月目 130 3 過去最高を更新
11月目 130 2 メイン案件に集中
12月目 130 2 年末も安定稼働

年間合計:約1,200万円

ポイントは「最初の案件をいかに早く取るか」だ。僕の場合、退職前にBig4時代の知人に声をかけておいたのが大きい。初月から売上が立ったことで、精神的な余裕が全然違った。

半年目に月100万円を超えたのは、単価交渉がうまくいったからだ。コンサルファーム出身であることを活かし、「戦略策定だけでなく実行支援もできる」という提案をした。クライアントにとっては、コンサルファームに月200万円以上払うより、個人に100万円払う方がコスパがいい。この構造を理解すると、単価交渉のロジックが組み立てやすくなる。

経費の内訳 — 年間200万円の使い道

経費内訳の円グラフ — コワーキング・交通費・ツール・書籍・交際費の比率

売上1,200万円に対して、経費は約200万円。内訳は以下の通りだ。

費目 年間金額(万円) 月平均(万円)
コワーキングスペース 48 4
交通費 24 2
通信費(スマホ・Wi-Fi) 12 1
ツール・SaaS(Notion、Zoom等) 18 1.5
書籍・セミナー 15 1.25
交際費(会食・カフェ) 30 2.5
PC・周辺機器 25
その他(名刺、文具等) 28
経費で意外と見落としがちなのが「交際費」だ。フリーランスは営業活動の一環としてランチミーティングやカフェでの打ち合わせが多い。僕はレシートを必ず保管し、相手の名前と目的をメモしていた。これが確定申告の時に効いてくる。

詳しくはフリーランスコンサルの末路のリアルで解説している。

コンサル出身者はPC1台で仕事ができるので、設備投資はほとんどかからない。僕の場合、最大の経費はコワーキングスペースと交際費だった。自宅で作業する人なら、経費はもっと抑えられるだろう。

税金と手取り — 売上1,200万円の現実

売上から手取りまでの内訳図 — 経費・税金・社会保険料の階段グラフ

フリーランスの手取りは、売上からかなり引かれる。ここが会社員との最大の違いだ。

売上1,200万円からの控除を整理する。

  • 経費:約200万円
  • 青色申告特別控除:65万円
  • 所得税・住民税:約135万円(課税所得に対して)
  • 国民健康保険:約65万円
  • 国民年金:約20万円
  • 消費税(インボイス登録済み):約70万円

手取り:約800万円

会社員時代の年収1,000万円の手取りが約720万円だったので、実はフリーランス1年目の方が手取りは多い。ただし、会社員には厚生年金や退職金、有給休暇がある。単純比較はできない。

特に注意すべきは消費税だ。2023年10月からのインボイス制度で、フリーランスも消費税の納税が事実上必須になった。売上の約10%が消費税として持っていかれるのは痛い。僕は初年度からインボイス登録をして、クライアントに迷惑がかからないようにした。

会計処理は月に1回、まとめてfreeeに入力している。コンサル時代にExcelで数字を扱い慣れていたおかげで、仕訳(取引を勘定科目に分類する作業)自体は苦ではない。ただし、税理士への相談は年に1回は入れている。特に初年度は、経費の按分比率(事業用とプライベートの比率)の判断が難しいので、プロに聞いた方がいい。

独立1年目で学んだ5つのこと

独立1年目の振り返り — 学びと気づきのまとめ

1年間フリーランスとして働いて、身をもって学んだことがある。

1. 最初の案件は「実力」ではなく「信頼」で取る

初月の案件は知人紹介だった。スキルを見て発注してくれたのではなく、「あいつなら大丈夫だろう」という信頼で仕事が来た。独立直後に実績はない。だからこそ、在職中の人脈が命綱になる。

2. 単価は自分で決められる

会社員時代は給与テーブルに従うしかなかった。フリーランスは自分の値段を自分で決める。最初は怖くて安く設定しがちだが、コンサルファーム出身なら月80〜120万円は相場の範囲内だ。

3. 稼働率100%を目指さない

フリーランスは営業、経理、事務もすべて自分でやる。稼働率を100%にすると、これらの時間が取れなくなる。僕は稼働率80%を目標にして、残り20%を営業活動と自己投資に充てた。

4. 確定申告は「後でまとめて」が最大の敵

領収書を溜め込むと、確定申告の直前に地獄を見る。僕は週に1回、経費をfreeeに入力するルーティンを作った。これだけで、確定申告の負荷が激減する。

5. コンサルのスキルは独立後にこそ活きる

構造化思考、短期キャッチアップ力、プレゼン力。Big4で叩き込まれたスキルは、フリーランスになってからの方がダイレクトに成果につながる。Big4で得たスキルが独立後にどう活きたかにも書いたが、会社の看板は捨てても、スキルは持ち出せる。

2年目に向けて — 次のステージへ

独立1年目は「生き残ること」が目標だった。結果として売上1,200万円、手取り約800万円。数字だけ見れば、会社員時代と大きくは変わらない。

でも、働き方は劇的に変わった。通勤ラッシュもない。深夜のパワポ修正もない。案件を選べる。自分の時間を自分でコントロールできる。この自由は、年収には換算できない価値がある。

2年目の目標は、年間売上1,500万円。単価の引き上げと、複数案件の並行運用で達成するつもりだ。

もしフリーランスへの独立を考えているなら、まず

フリーランスの年収の知恵袋の声も参考にしてほしい。

独立は怖い。でも、コンサル出身者は「怖いけど論理的に考えれば合理的な選択肢だ」と判断できる人が多いと思う。この記事の数字が、その判断材料のひとつになれば嬉しい。

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Kay

Kay

IT業界12年Big4コンサル出身日英バイリンガル

新卒でメガベンチャーに入社後、ITベンチャー、事業会社のシステム部門を経て、Big4コンサルファームでITコンサルタントとしてチームリーダーを務める。その後フリーランスとして独立し、現在はAI活用コンサルティング・ITコンサルティングを中心に活動。日英バイリンガル。