コンサルからフリーランスへ。独立1年目のリアルな収支記録

目次
独立1年目の売上は1,200万円だった

Big4コンサルファームを辞めて、フリーランスになった。年収約1,000万円を捨てて、ゼロからのスタートだ。
結論から言うと、独立1年目の売上は約1,200万円。経費を引いた手取りは約800万円。会社員時代とほぼ同じか、少し下がった程度だった。
「意外としょぼいな」と思う人もいるかもしれない。でも、僕にとっては会社の看板なしで稼いだ初めてのお金だ。数字以上の意味がある。
この記事では、独立前の準備から月ごとの売上推移、経費の内訳、税金の話まで、1年目のリアルをすべて公開する。これからフリーランスを考えている人の判断材料になれば嬉しい。
辞める前にやった3つの準備

Big4で約2.5年働いた後、退職を決めた。ただし、勢いで辞めたわけじゃない。半年かけて準備した。
もうひとつ地味だが重要なのが、事業用の銀行口座とクレジットカードを分けること。個人と事業の支出が混ざると、確定申告の時に地獄を見る。僕は屋号付き口座を開設して、経費は全てそこから支払うようにした。
月ごとの売上推移 — 初月55万円から月120万円超へ

独立1年目の売上を月ごとに振り返る。
| 月 | 売上(万円) | 案件数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1月目 | 55 | 1 | 知人紹介のIT戦略案件(週4稼働) |
| 2月目 | 55 | 1 | 同案件の継続 |
| 3月目 | 70 | 2 | エージェント経由で小案件追加 |
| 4月目 | 85 | 2 | 単価交渉でメイン案件の単価UP |
| 5月目 | 100 | 2 | 新規クライアント獲得 |
| 6月目 | 105 | 2 | メイン案件の追加発注 |
| 7月目 | 110 | 2 | 安定期に突入 |
| 8月目 | 110 | 2 | 大手金融のDX戦略策定参画 |
| 9月目 | 120 | 3 | スポットの資料作成案件追加 |
| 10月目 | 130 | 3 | 過去最高を更新 |
| 11月目 | 130 | 2 | メイン案件に集中 |
| 12月目 | 130 | 2 | 年末も安定稼働 |
年間合計:約1,200万円
半年目に月100万円を超えたのは、単価交渉がうまくいったからだ。コンサルファーム出身であることを活かし、「戦略策定だけでなく実行支援もできる」という提案をした。クライアントにとっては、コンサルファームに月200万円以上払うより、個人に100万円払う方がコスパがいい。この構造を理解すると、単価交渉のロジックが組み立てやすくなる。
経費の内訳 — 年間200万円の使い道

売上1,200万円に対して、経費は約200万円。内訳は以下の通りだ。
| 費目 | 年間金額(万円) | 月平均(万円) |
|---|---|---|
| コワーキングスペース | 48 | 4 |
| 交通費 | 24 | 2 |
| 通信費(スマホ・Wi-Fi) | 12 | 1 |
| ツール・SaaS(Notion、Zoom等) | 18 | 1.5 |
| 書籍・セミナー | 15 | 1.25 |
| 交際費(会食・カフェ) | 30 | 2.5 |
| PC・周辺機器 | 25 | — |
| その他(名刺、文具等) | 28 | — |
詳しくはフリーランスコンサルの末路のリアルで解説している。
コンサル出身者はPC1台で仕事ができるので、設備投資はほとんどかからない。僕の場合、最大の経費はコワーキングスペースと交際費だった。自宅で作業する人なら、経費はもっと抑えられるだろう。
税金と手取り — 売上1,200万円の現実

フリーランスの手取りは、売上からかなり引かれる。ここが会社員との最大の違いだ。
売上1,200万円からの控除を整理する。
- 経費:約200万円
- 青色申告特別控除:65万円
- 所得税・住民税:約135万円(課税所得に対して)
- 国民健康保険:約65万円
- 国民年金:約20万円
- 消費税(インボイス登録済み):約70万円
手取り:約800万円
特に注意すべきは消費税だ。2023年10月からのインボイス制度で、フリーランスも消費税の納税が事実上必須になった。売上の約10%が消費税として持っていかれるのは痛い。僕は初年度からインボイス登録をして、クライアントに迷惑がかからないようにした。
会計処理は月に1回、まとめてfreeeに入力している。コンサル時代にExcelで数字を扱い慣れていたおかげで、仕訳(取引を勘定科目に分類する作業)自体は苦ではない。ただし、税理士への相談は年に1回は入れている。特に初年度は、経費の按分比率(事業用とプライベートの比率)の判断が難しいので、プロに聞いた方がいい。
独立1年目で学んだ5つのこと

1年間フリーランスとして働いて、身をもって学んだことがある。
1. 最初の案件は「実力」ではなく「信頼」で取る
初月の案件は知人紹介だった。スキルを見て発注してくれたのではなく、「あいつなら大丈夫だろう」という信頼で仕事が来た。独立直後に実績はない。だからこそ、在職中の人脈が命綱になる。
2. 単価は自分で決められる
会社員時代は給与テーブルに従うしかなかった。フリーランスは自分の値段を自分で決める。最初は怖くて安く設定しがちだが、コンサルファーム出身なら月80〜120万円は相場の範囲内だ。
3. 稼働率100%を目指さない
フリーランスは営業、経理、事務もすべて自分でやる。稼働率を100%にすると、これらの時間が取れなくなる。僕は稼働率80%を目標にして、残り20%を営業活動と自己投資に充てた。
4. 確定申告は「後でまとめて」が最大の敵
領収書を溜め込むと、確定申告の直前に地獄を見る。僕は週に1回、経費をfreeeに入力するルーティンを作った。これだけで、確定申告の負荷が激減する。
5. コンサルのスキルは独立後にこそ活きる
構造化思考、短期キャッチアップ力、プレゼン力。Big4で叩き込まれたスキルは、フリーランスになってからの方がダイレクトに成果につながる。Big4で得たスキルが独立後にどう活きたかにも書いたが、会社の看板は捨てても、スキルは持ち出せる。
2年目に向けて — 次のステージへ
独立1年目は「生き残ること」が目標だった。結果として売上1,200万円、手取り約800万円。数字だけ見れば、会社員時代と大きくは変わらない。
でも、働き方は劇的に変わった。通勤ラッシュもない。深夜のパワポ修正もない。案件を選べる。自分の時間を自分でコントロールできる。この自由は、年収には換算できない価値がある。
2年目の目標は、年間売上1,500万円。単価の引き上げと、複数案件の並行運用で達成するつもりだ。
フリーランスの年収の知恵袋の声も参考にしてほしい。
独立は怖い。でも、コンサル出身者は「怖いけど論理的に考えれば合理的な選択肢だ」と判断できる人が多いと思う。この記事の数字が、その判断材料のひとつになれば嬉しい。
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IT業界12年Big4コンサル出身日英バイリンガル新卒でメガベンチャーに入社後、ITベンチャー、事業会社のシステム部門を経て、Big4コンサルファームでITコンサルタントとしてチームリーダーを務める。その後フリーランスとして独立し、現在はAI活用コンサルティング・ITコンサルティングを中心に活動。日英バイリンガル。


